タイムラプス撮影におすすめの機材まとめ。What’s In My Camera Bag 2018?
|Nikon から Sony へ移行
フィルムカメラ時代の時から「本気カメラ」はずっと Nikon だったのですが、度重なる初期不良による不具合などで嫌な思いをしたこともあり、Panasonic や Olympus のデジタルカメラを試した後、今は Sony のデジタルカメラに落ち着いています。
気がつけば、ボディ4台、レンズ8本と自分の撮影用途で使うには十分すぎるくらいの機材が揃いました。
撮影スタイル
ぼくの撮影スタイルは以下で、山でのタイムラプスとパノラマ撮影がメインです。
- 北アルプス山行のタイムラプスとパノラマ写真撮影
- 山行で動画を撮るときはGoProなどのアクションカメラ
- 山行以外の撮影はフルフレームセンサーボディと単焦点レンズ
- 一眼デジタルカメラで動画は撮らない
タイムラプス撮影に持っていく基本的な機材
山行に持っていく機材は、基本的にボディ2台、レンズ2本、その他以下になります。
- カメラボディ2台(フルフレームセンサーボディ2台、もしくはAPS-Cセンサーボディ2台)
- レンズ2本(広角FEレンズ1本と高倍率FEズームレンズ1本、もしくは広角Eレンズ1本と高倍率Eズームレンズ1本)
- 予備バッテリー
- SDXCカード
- モバイルバッテリーと充電ケーブル
- バリアブルNDフィルター
- 三脚
- ギア付き雲台
基本的な撮影機材の組み合わせの例
撮影機材(フルフレームセンサーボディなのか、APS-Cセンサーボディなのか)は何をメインに撮るのか、どれくらいの行程なのかで組み合わせは以下のとおりになります。
1. フルフレームセンサーボディの場合
- α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS(タイムラプスとパノラマ撮影用)
- α7R II + FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(タイムラプス撮影用)
2. APS-Cセンサーボディの場合
- α6500 + E 10-18mm F4 OSS(タイムラプスとパノラマ撮影用)
- α6300 + E PZ 18-105mm F4 G OSS(タイムラプス撮影用)
フルフレームセンサーボディとFEレンズの組み合わせ vs APS-CセンサーボディとEレンズの組み合わせ
ここで、フルフレームセンセーボディ + FEレンズの場合と、APS-Cセンサーボディ+Eレンズの場合の違いを見ていきましょう。
組み合わせによる重量の違い
フルフレームセンサーはやはり圧倒的な描写力が魅力なのですが、問題になるのはトータルの重量です。フルフレームセンサーボディ + FEレンズの組み合わせだと、APS-Cセンサーボディ + Eレンズの組み合わせに比べトータルで40%ほど重たくなってしまいます。
1. フルフレームセンサーボディの場合
- α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS = 582g + 518g = 1,100g
- α7R II + FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS = 582g + 780g = 1,362g
トータル = 2,462g
2. APS-Cセンサーボディの場合
- α6500 + E 10-18mm F4 OSS = 410g + 225g = 635g
- α6300 + E PZ 18-105mm F4 G OSS = 361g + 427g = 788g
トータル = 1,423g
上記のとおり、フルフレームセンサーボディとFEレンズの組み合わせでは、APS-CセンサーボディとEレンズの組み合わせよりも 1Kg 以上重くなります。
また、フルフレームセンサーボディ + FEレンズの場合は雲台プレートも大きくしっかりしたものを使いますので、APS-Cセンサーボディ + Eレンズの組み合わせの場合に比べ、さらに重量が加算されます。
そのため、山行の前に何を持っていくのか、また何を持っていかないのか(=どんな撮影を優先させるのか)を決めるのはいつも悩むところです。
それでは次に、どれくらい値段が違うか詳細を見てみましょう。
値段の違い(2018/2/11 ソニーストア比べ: 税抜き価格)
以下は 2018/2/11 時点でのソニーストアでのそれぞれの価格になります。
1. フルフレームセンサーボディとFEレンズの場合
- α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS = 278,880円 + 143,880円 = 422,760円
- α7R II + FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS = 278,880円 + 134,880円 = 413,760円
トータル = 836,520円(税抜)
2. APS-CセンサーボディとEレンズの場合
- α6500 + E 10-18mm F4 OSS = 149,880円 + 76,000円 = 225,880円
- α6300 + E PZ 18-105mm F4 G OSS = 99,880円 + 56,952円 = 156,752円
トータル = 382,632円(税抜)
フルフレームボディ + FEレンズの組み合わせは値段も大きく異なります。
それでもフルフレームセンサーボディ + FEレンズの組み合わせが良い理由はあるのでしょうか?。
フルフレームセンサーボディ + FEレンズの組み合わせが良い理由
それはなんと言っても広角レンズが写す光芒(コウボウ:細長くのびる光)の美しさとヌケの良さです。
このヌケの良さや、空気感の表現力はフルフレームセンサーボディとFEレンズの組み合わせが一枚上手です。
例えば 広角側がほぼ同じになる 「α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」 と 「α6500 + E 10-18mm F4 OSS」 を比べるとわかるのですが、フルフレームセンサーボディ + FEレンズの組み合わせで撮影したものは光芒の尖り方や画のヌケの良さにハッとさせられるものがあります。
もちろんこれは主観的な意見ですので、撮影者によっては好みがわかれるかもしれません。
以下の画像は、時期と場所、また撮影条件も若干違いますが同じ時間帯で撮影したものになります。これらを比べると、とくに光芒の尖り方の違い(先端に向かって細くなっているか、広がっているか)がはっきりわかるのではないかと思います。
1. フルフレームセンサーボディとFEレンズの組み合わせ
カメラ + レンズ:α7R II + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS(16mm @ f/16、1/100、ISO100)撮影日時:2015/08/16 05:37:26 撮影場所:別山北峰
2. APS-CセンサーボディとEレンズの組み合わせ
カメラ + レンズ:α6500 + E 10-18mm F4 OSS(14mm @ f/16、1/50、ISO50)撮影日時:2017/08/13 05:41:48 撮影場所:北穂高岳南陵テント場
APS-CセンサーボディとEレンズの組み合わせが良い理由
フルフレームボディ + FEレンズの組み合わせのメリットはわかりました。
ただ、やはり値段の違いは無視できない大きいです。
フルフレームセンサーボディとFEレンズの価格は、APS-CセンサーボディとEレンズのそれに比べトータルで55%ほど割高になります。
そのため、画像のヌケが良いとか、光芒が綺麗という理由だけで、倍以上の出費の理由が正当化されるかは正直疑問が残ります。
結局タイムラプスの撮影におすすめの機材はどの組み合わせ?
それでは、結局タイムラプスの撮影におすすめの機材はどちらになるのでしょうか?
答えは、値段とパフォーマンスのバランスが良い「APS-CセンサーボディとEレンズ」の組み合わになります。
以前であればAPS-Cセンサーの画質はフルフレームセンサーのそれと比べると明らかに劣っていました。
しかし、ある条件下での撮影を除けば、現在発売されているソニーの α6500 や α6300 の画質は、α7R II のそれに比べ劣るどころか、逆に「ここまで写るのか」と驚くほどです。
夜の撮影はフルフレームセンサーボディとFEレンズの組み合わせがおすすめ
上記で言及した「ある条件下での撮影」とは撮影する時間帯です。
例えば夜、星空のタイムラプスを撮影する場合、やはりAPS-CセンサーボディとEレンズの場合だと撮影した画像にノイズが目立ちます(注1)。
また、ピント合わせやファインダー越しの構図決めの際も、レンズが明るい(F値が少ない)FEレンズの方が確認しやすいです。
注1:APS-CセンサーボディとEレンズの場合は、シャッタースピードと絞りをフルフレームセンサーボディとFEレンズでの撮影時と同等としたい場合、ISO感度をあげる必要があるためです(ISO をあげる = ノイズが目立つようになる)。
タイムラプス撮影に必須になるその他の機材とポイント
さて、タイムラプスの撮影におすすめのカメラ機材は「APS-CセンサーボディとEレンズ」の組み合わせになることは説明しました。
ここからは、タイムラプス撮影の際にとても重要になるその他の機材についてのポイントを紹介したいと思います。
- 三脚
タイムラプス撮影にはしっかりした三脚が必須です。しっかりした三脚 = 重たい三脚 なのですが、そんなに重い三脚を山行に持っていくことはできません。
僕は対荷重 5Kg までのカーボン三脚を使用しています。雨に濡らしたり岩にぶつけたりしていますが、まだまだ使用できそうなのでこれからも大切に使っていきたいです。
- ギア付き雲台
自重の観点では自由雲台が軽くて良いのですが、構図をきっちり決めるにはやはりギア付き雲台をおすすめします。
こちらも落としたり岩にぶつけたりとキズだらけになってしまいましたが、ぼくは マンフロットのギア付きジュニア雲台 410(自重 1.15Kg もあります!)を使用しています。
とにかく微妙な調整ができるのと、一度決めた構図はさわらない限り変わらない、というのはタイムラプス撮影時にとても大切です。
- バリアブルNDフィルター
タイムラプス撮影時のシャッタースピードは 1/60 くらいを多用しますので、天気が良い日中の撮影時にはNDフィルターが必須です。
バリアブルNDフィルターは色ムラが出るなどの意見もありますが、これまで使用した限りでは特に気になることはありませんでした。
なお、NDフィルターを使用する上で注意したいことは、広角側でケラレ(画面の角が暗くなること)が発生しやすいため、使用するNDフィルターの径はレンズの径よりも大きめのものを選ぶことをおすすめします。
例えば僕の場合は、使用するレンズの径が 62mm と 72mm ですので、NDフィルターは TIFFEN(ティフィン)の 77mm のものを使用しています。
レンズ側にあらかじめ 62mm から 77mm、または 72mm から 77mm のステップアップリングをつけていますので、撮影時に取り替える必要やそのために慌てる必要がありません。
- モバイルバッテリー
ソニーのバッテリーは長持ちしないことで有名ですが、α6500 や α6300、そして α7R II はモバイルバッテリーから給電できます。
これがどんなに便利で素晴らしいことなのかは使ってみるまでわからないと思います。
ぼくは cheero の Power Plus 3 を使っていますが、スマホの充電も必要なことから、いつも2個持って行きます。
このバッテリーはひとつ 245g と重たいのですが、バッテリー切れで撮影ができなくなったり、いざという時にスマホのGPSマップが使えなくなるのは嫌ですので重さは我慢していつも2個持っていくようにしています。
- SDXCカード
タイムラプスはとにかく撮影枚数が多くなります。
ぼくが山へ行くときは最低でも3日は行きますので、1日1台あたり最低 1,500枚撮影したとすると 2台でトータル 9,000枚撮影することになります。
そして記録はすべて RAW ですので容量の大きいSDXCカードが必要になります。
カメラによって記録ファイルサイズも違ってくるのですが、例えば 64GB のSDXCカードで可能な撮影枚数は、α7R II で 1,400枚、α6500 や α6300 では 2,400枚として計算しています。
タイムラプス撮影する際に必要となる機材とおすすめ機材まとめ
- α 6500 + E 10-18mm F4 OSS = 410g + 225g = 635g
- α 6300 + E PZ 18-105mm F4 G OSS = 361g + 427g = 788g
- 予備バッテリー = 43g x 4 = 172g
- カーボン三脚 = 1,600g
- ギア付き雲台 = 1150g
- バリアブルNDフィルター = 118g
- モバイルバッテリー = 245g x 2 = 490g
- SDXCカード = 4.6g x 6 = 27.6g
トータル = 4619.6g
さて、以上が「基本的な撮影機材の組み合わせの例」と「タイムラプス撮影する際に必要となる機材とおすすめ機材まとめ」になります。
いかがでしたか?
最後になりましたが、以下、僕のカメラバッグに入っている機材の一覧(2018/2/11 現在)を紹介したいと思います。
What’s In My Camera Bag 2018?
B. SEL1635Z(Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS )
C. SEL24240(FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS)
D. リチャージャブルバッテリーパック NP-FW50
F. ILCE-7RM2(α7R II)
G. SEL35F28Z(Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA)
I. cheero Power Plus 3 13400mAh
J. SEL20F28(E 20mm F2.8)
L. SELP18105G(E PZ 18-105mm F4 G OSS)
M. ニコンカメラストラップ(僕のカメラストラップはこれからもニコンです)
P. SELP1650(E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS)
Q. ベルボンクイックシュー QRA-6L
R. マンフロット357ユニバーサルスライディングプレート
S. マンフロット394プレートアダプター と ベルボンクイックシュー QRA-6L
T. マンフロット410PLプレート
U. ベルボンクイックシュープレート QRA-35L
V. SDXCカード